庄内砂丘とメロンの
あま〜い関係

おいしい話
田植えがはじまると一気に農産物が出回る

田んぼの稲が青々しく育つ頃、畑の野菜もどんどん育ち、生産者も消費者も、旬の食材を追いかけるので大忙し!

庄内砂丘メロンもそのひとつ。とろりとした果肉と口いっぱいに広がるあま〜い香り!味の定評から、この時期はギフトに利用したり、 仏壇の御供物や、お家にお邪魔したらカットしたメロンが出てくるなんてことが日常の中でよくある。

しかも山形県のメロンの生産量は、北海道、茨城、千葉に次いで全国4位とかなりの面積を費やしている。この時期庄内の家庭に、なくてはならないスイーツのメロン、その美味しさの秘密をJA鶴岡西郷選果場直売所さんにお邪魔して探ってきた。

JA鶴岡西郷選果場直売所内駐車場に、例年6月下旬から8月10日前後まで期間限定でオープンするメロン直売所

続々と出荷されてくるメロン

数軒で栽培している「香りメロン」。香りがトロピカル〜。ダンボール箱にきれいに並んでいるけれど、どの品種も一個から購入できるそう

 

砂地でメロンが育つの?

網目が出はじめたころのアンデスメロン

メロンは東アフリカやインドを原産地とする説があり、暑い国生まれのウリ科の野菜だ。一般的には高温低湿を好むため、水はけのいい砂丘は栽培にはうってつけ。水やりには地下水として蓄えられた鳥海山の伏流水を使用している。この水が庄内の銘酒や美味しい岩がきの源とも言われているので、メロンにもいいに決まっている!さらに昼夜の寒暖の差がさらに果肉の甘さを引き出すのだそう。

露地栽培はトンネルハウスの中で育てる。夏場は早くて朝5時頃から収穫がはじまる

忙しい時期にも関わらず畑を見せてくれたJA鶴岡ネットメロン専門部部長・佐藤重勝さん

JA鶴岡のアンデスメロンはオール原種1号!

アンデスメロンは糖度14度、とろりとした果肉が特徴。鶴姫メロン、鶴姫レッドメロンは糖度15度、果肉は硬めでさっぱり食感。そのままはもちろんパフェなどにも利用されている。オレンジ色の「香りメロン」は糖度14度程度、JA鶴岡オリジナル品種

「庄内砂丘メロン」は鶴岡市から酒田市まで広いくくりで総称されていて、地域でも作られている種類が異なる。ここJA鶴岡管轄の畑では「アンデスメロン」「鶴姫メロン」「鶴姫レッドメロン」の3種類がメイン。中でもとろ〜っとした果肉が特徴のアンデスメロンは、原種と言われている「アンデス1号」にこだわって作り続けているのだとか。

選果場では生産者の方が出荷準備中。ここから年間55万ケースが出荷されている

サイズと等級をチェック。今年は梅雨明けも早く日照りが続いていたので大玉サイズが多く出回ったそう

出荷の際には必ず糖度をチェック!

そもそもアンデスメロンの品種は1〜7号まであり「アンデス1号」はとろけるような果肉の柔らかさが特徴。栽培が難しく、他の地域では収量を確保するためにも品種改良されたものを多く生産している。デリケードだけど、果肉の柔らかさや味の品質を保つためにもアンデスメロンは「アンデス1号」にこだわって生産しているのがこの地域の特徴。
そんな話を聞くと、ますます庄内砂丘メロン愛が湧くよ〜!

写真左下:アンデスメロン、右下:鶴姫レッド、左上:鶴姫、右上:香りメロン

作業中、メロンのダンボールに囲まれてニコ!ありがとうございます!

美味しく食べる③ポイント

収穫してから追熟させてからいただくのが一般的
  1. 常温保存
  2. 食べる数時間前に冷蔵庫で冷やして
  3. 保存中は逆さまに!?

と、3つのポイントを教えてもらった。

さくらんぼも、送り先の友人に「常温保存してね!」と伝えることが多いけど、メロンもご多分にもれず。暑い夏場はついつい冷蔵庫に入れがちだけど、食べ頃時期までは追熟途中となるので、風通しのいい室内でそのまま保存してOK。ひんやりと味わいたい時は食べる前に冷蔵庫へ入れるのが美味しく食べるルール。

逆さまにして保管すると甘さが均等になる!?

そして「もしかしたらですけど」と、甘さがお尻にたまるので保存している時は逆さにしたら全体に甘さが行き渡るかもしれないということを教えてもらった。

アンデスメロンはお尻の柔らかさで食べ頃をチェックできるが、品種によっては固いままの場合もあるのでサインがわかりにくい。美味しい時期を逃さないために、JA鶴岡では食べ頃の日付を記載している

最盛期の庄内砂丘メロン、直売所では8月10日前後まで販売中。一玉からでも購入できるので、自分用にもお土産用にも気軽に利用してみて。

メロンの看板が目印!

基本情報

名称/JA鶴岡西郷選果場直売所内 駐車場内
営業時間9:00〜17:00
休業日/期間中なし
ホームページ/https://www.dadacha.jp/melon/event.html
アクセス/JR鶴岡駅から車で約18分
駐車場/10台  

本間聡美

本間聡美

Harvest Photographer 庄内生まれ、農家の娘。 都会に憧れ、早く都会に出たい一心で、進学を機に東北の都仙台へ。卒業後は撮影、制作の仕事に従事。仙台ライフを楽しみつつも、仕事を通じて出会う地方のひとたちの力強さに魅力を感じ、自分の故郷を気になりはじめました。 仙台と庄内の2拠点生活などを経て2015年から庄内を拠点に活動をスタート。現在はフリーランスとして東北の、食・農・人・風土などの撮影を手掛けています。 今もやっぱり冬は苦手ですが、雪解けから一気に進む季節の彩りに、すっかり魅了されっぱなしデス。 移動、お散歩、寄り道好き、まっすぐ家に帰れません。

関連記事

TOP