\簡単3ステップ/
漬物を使ったアレンジ晩ご飯

おいしい話

歳を重ねるごとに好きになるもの、興味が増すものが変わっていく。

若い頃は少し苦手だった日本酒や、栄養素の観点からは大豆や発酵食品。漬物もそのひとつ。特に汗かきのわたしは夏に塩っ気のあるものを体全体で欲している。

17時頃になると、そろそろビールにさっぱり浅漬けをつまみながら夕飯の支度にとりかかろうか、と密かに毎日思っている。

漬物はそれだけでも美味しいのだが、パスタや洋風にもアレンジができると「つけもの処本長」さんがオリジナルレシピを発信しているのを発見し、つまみ以外にも家族で味わえる漬物ごっつぉ(ご馳走)があるなんてうれしい、真夏になる前に伝授していただこう!と、本長さんにお邪魔した。

JR大山駅から徒歩3分ほど

旅人気分で駅にも立ち寄ってみた

「漬物は調味料として使っても全然OKなんです」と、4代目の本間光太郎社長から早速うれしいご提案。

この本長さんのお漬物は、あつみかぶ、藤沢かぶ、外内島きゅうりなど、庄内に残る貴重な在来野菜や旬の野菜を、保存料などを使わず丁寧に作られたものばかり。

保存食というよりは野菜を美味しく食べるための漬物、といったイメージだが「調味料として、本当にいいんですか…?」とたずねると、「いいんです。もっともっと漬物を食べてほしい。新しいイメージや時代にあった食べ方の提案はこれからもどんどんしていきたい」と、とっても肯定的だ。

4代目の本間社長。漬物の未来を本気で考える熱いお方でした!

塩っ辛いものが大好きだったおじいちゃんおばあちゃんの時代はどこへやら。日本のみならず世界を見ても健康ブーム、減塩や糖質オフなどが後押しして、お米を食べる習慣が減るのと同時に漬物文化も下降気味。確かに漬物って若い頃はあまり食べないし、今の若い世代が歳を重ねても食べるのかはちょっぴり疑問である。

しかしその疑問を打ち消すように登場したのが「チーズ漬物」シリーズだ。ある時社員さんが居酒屋でクリームチーズの漬物を食べたのをヒントに、「蔵王チーズ粕漬」を製造・販売すると、今までの顧客に加えて若い女性のお客様が興味を持って購入してくれることが増えたのだそう。

店頭では直接購入が可能。人気の商品は在庫もわずかに

ロゴは本間社長が自らデザイナーさんを見つけて、「漬物屋らしくないデザインを」と6年前にオーダーしたものを使用し、パッケージは内容に合わせてスタイリッシュに仕上げた。デザインや新商品のアイディアは催事先のデパートの化粧品売り場などをヒントにしているという。見せ方ってほんとに大事。

事前予約でつけ物蔵の見学もできる

粕漬けに使う漬けもの樽は秋田杉を使用したもの。通気性に優れ、蔵独自の菌が住み着くのが特徴

さて、この記事のメインイベントは取材ではなく漬物アレンジの晩御飯、なのです。早速いただいたレシピをもとに食卓をアレンジ!

今回購入した4商品。チーズ粕漬け(各897円・税込)、おかけちゃん(432円・税込)、むらさと(432円・税込)

店頭に並んでいた「蔵王チーズ粕漬・白」「蔵王チーズ粕漬・黒」はどちらも購入して食べ比べを楽しむのだ。

社長曰く「白は食べやすいと思いますが黒は味が濃いかもしれないので、好みが分かれるかも」とのこと。ちょっぴりドキドキしつつも、実食…。うん、わたしはどっちも好き!白は酒粕がアクセントになり、クリームチーズが少しさっぱり感じて食べやすく感じたのは私だけ?黒バージョンも芳醇さが増してワインも進む。これは手土産にも会話のネタとしても喜ばれそうだ。

通常の酒粕をさらに熟成させ、隠し味に味噌を使用した黒(左)、オリジナルの粕床に漬けた白(右)

大根、茄子、きゅうりなどを細かく刻んだ味噌漬け「おかけちゃん」は生クリームと混ぜて、冷やした麺に絡めた簡単3ステップの冷静パスタに。ぁあ〜〜とっても便利。

茹でて水でしめた200gの麺と、生クリーム100mlにおかけちゃん大さじ6をあえたものを混ぜ、塩胡椒で味を整える

きゅうりのしょうゆ漬け「むらさと」は粗みじん切りにして無塩バターを混ぜるだけ。漬物のコリコリの食感がおもしろい。分量も書いていたけど結構適当でも様になりそうだ。

粗みじん切りにしたむらさと50gに無塩バター100gを混ぜ、パンなどに乗せてパク!

簡単アレンジでいつもよりちょっぴり豪華に感じられるご飯が完成!

何より漬物を使ったレシピがとっても新鮮で、ひさびさに料理が楽しく感じた。この夏は漬物を調味料にもっと新しい料理にもチャレンジしてみるのも面白そう♪

基本情報

名称/つけもの処 本長
営業時間/8:30〜17:30
休業日/年末年始
ホームページ/http://k-honcho.co.jp/
アクセス/JR大山駅から徒歩3分
駐車場/15台

本間聡美

本間聡美

Harvest Photographer 庄内生まれ、農家の娘。 都会に憧れ、早く都会に出たい一心で、進学を機に東北の都仙台へ。卒業後は撮影、制作の仕事に従事。仙台ライフを楽しみつつも、仕事を通じて出会う地方のひとたちの力強さに魅力を感じ、自分の故郷を気になりはじめました。 仙台と庄内の2拠点生活などを経て2015年から庄内を拠点に活動をスタート。現在はフリーランスとして東北の、食・農・人・風土などの撮影を手掛けています。 今もやっぱり冬は苦手ですが、雪解けから一気に進む季節の彩りに、すっかり魅了されっぱなしデス。 移動、お散歩、寄り道好き、まっすぐ家に帰れません。

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