クラゲで有名な加茂水族館。
でも、それだけでは語れない魅力があって…。

パワースポット&絶景

加茂水族館は、直径5メートルの大きなクラゲ水槽があることでよく知られ、展示種の数はなんと世界一。常時60種類以上ものクラゲが展示されています。

からだの95%以上が水分でできているというクラゲ。たっぷりと水をたくわえて膨らむ姿は、どこか植物のようにも見え、暗い館内では夜空に輝く星々のようにも思える。規則性なく自由にたゆたう姿を眺めていると、水面に映る無数の光をとらえた時とよく似た気持ちに。その癒し効果ははかり知れず、マイナスイオンを発しているのではないかと思うほどです。見ているだけでゆっくりとした気持ちになれる加茂水族館は、ついつい足を運んでしまう場所のうちのひとつ。

1万匹のミズクラゲが浮遊している
宇宙空間のような展示。
光の演出が美しい。

はじめて連れてきてもらった時には、クラゲの美しさに夢中になり、それ以外が目に入らないほど感動したことを今でも覚えています。その後、何度も繰り返し訪れる中で、加茂水族館の魅力は決してクラゲだけにとどまらないと気づいたのでした。

クラゲをお目当てにさらりと周れば、1時間程度の規模感。それが、ここでの楽しみ方を深掘りしていくうちに、気づけば半日を館内で過ごすようになっていたから自分でもびっくりしています。なぜここまでの変化があったのかというと、館内のお食事どころ”魚匠ダイニング 沖海月”のお料理のおいしさを知り、立ち寄るようになったことが一番の理由。みなさんは、”魚匠ダイニング 沖海月”のこと知っていますか?

沖海月では、市内でもめずらしいほど本格的な和食料理を食べることができます。もちろん、ラーメンやアイスといった軽食もあるけれど、フグやハモなどの本格的な食材を比較的リーズナブルな価格で食べることができるので、お腹を空かせていくことをおすすめします。

“庄内出世汁”の御膳。メインは金頭(カナガシラ)と海老のお吸物。

新鮮なお刺身にカラスミまで。

新しい御膳も考案中。ちらりと見せていただきました。

ハモや御膳は期間限定ではあるものの、その時々に季節のお料理が用意されているそう。庄内地方の歴史や文化から着想を得た創作料理は、歴代藩主の人物像を表現したメニューなどもあり、庄内藩の歴史を知る方であれば2倍も3倍も楽しめること間違いなし。(ちなみにわたしは、歴史については勉強中。分からずに食べても美味しかったです。)

こんなに贅沢なお食事が水族館で食べれるなんて、なんだか不思議と思いながらも…。魚を見るだけでなく食べても楽しめる仕掛けだと理解すれば、食育、そして食を通した歴史教育、どちらの観点でみてもいい経験だなと思えるのでした。わたしも子どもの頃に、家族と一緒に来てみたかったなぁ。

加茂水族館にはクラゲの他にも人気者がいて、それがひれあしの仲間たち。カリフォルニアアシカの”加茂あしか〜ず”やキタゾウアザラシの”なおみ”など、多種多様なひれあしのお友達が待っています。夏季には”ひれあしの時間”として、ショーが行われていますが、2時間に一度のペースで開催されるので、入り口付近のタイムテーブルをかならず確認しましょう。そして館内には、クラゲ以外にも海の仲間たちがたくさんいますよ。

きもち良さそうに日光浴中。

間近でみられる”ひれあしの時間”。

ウミガメの優しい表情に癒される。

まるで天の川のよう。

もうひとつ、ぜひ注目してもらいたいのが、加茂水族館そのものの造形美。建物の外観は、”波間に漂う海月”をイメージしたそうで、曲線美が光ります。室内もゆるやかなスロープになっていて、窓から外を眺めると、まるで船に乗って旅をしているような気分に。屋上には中庭があり、晴れていれば日本海と鳥海山を同時に望むことができます。芝生があるのもいいですね。

曲線が美しい広場の様子。

窓の外には日本海。

よくお手入れされた芝生。

庄内の観光地は屋外のスポットが多いですが、加茂水族館は天候を気にすることなく楽しめるのも嬉しいところ。雨の日も、風の日も、雪の日だって訪れたい、最高のおでかけスポットなのです。

基本情報

名称/鶴岡市立加茂水族館
住所/山形県鶴岡市今泉大久保657-1
電話/0235-33-3036

営業時間/9時〜17時 (7月20〜8/20は17時30分まで、入館は閉館30分前まで)
休業日/なし
ホームページ/
https://kamo-kurage.jp
入館料/高校生以上1000円、小中学生500円、幼児無料
アクセス/JR鶴岡駅から車で約25分
駐車場/500台

すずきまき

すずきまき

写真家・物書き。神奈川県横浜市に生まれ、2020年春に山形県鶴岡市へ移住。同年、庄内の自然に魅せられて創作活動をスタート。柔和な雰囲気の作風で、日々のなかにある光を写している。2022年4月には鶴岡市内の湯田川温泉にて自身初となる写真展『春眠』を開催した。 ライフワークはひとり旅。温泉めぐりと自然観察を軸に目的地を選び、現在は東北地方を開拓中。無類の温泉好きで、温泉ソムリエの資格をもつ。夫婦+2匹の猫、はるとあきとともに気ままな庄内ライフをおくっている。

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