たんと食べて、たんと楽しむ!新たな港の顔、SAKATANTO

遊ぶ・体験

きらきら輝く海のすぐそば、酒田港東ふ頭交流施設「SAKATANTO」は2022年にオープンしました。かれこれ50年以上、港の倉庫として利用されていた場所でしたが、酒田北港の整備に伴い一度はその役目を終えました。今、新たな役割をもった上屋は、新たな交流の場として賑いを見せています。

実はニショイのツマは、学生時代に酒田に4年間住んでいたこともあり、久しぶりの酒田港なのでとっても楽しみにしていました。張り切って、SAKATANTOカラーのシャツを着て挑む!頼もー!

イカリをモチーフにしたロゴマークがお出迎え。

SAKATANTOの入り口から真正面に港があります。ちょうど漁船が入ってきました。

酒田港は江戸時代から明治期に、北前船航路の寄港地として栄えた港のひとつです。北前船とは、大阪と蝦夷地(北海道)を行き来する荷物を運ぶ船のことです。荷物を運ぶだけではなく、寄港地で品物を買い、別の寄港地で販売する「動く総合商社」のような船でした。山形県内陸部から最上川を経由して、米や紅花などが酒田港に辿り着き、上方(大阪や京都)へ運ばれました。反対に上方からは、生活必需品や文化が流入したことで、現在の酒田の文化に大きな影響を与えました。

港を連想すると「漁業」が1番に頭に浮かんできそうですが、このような歴史の背景から酒田港は物や文化の交差点だったということが分かります。

高架下の雰囲気漂う、フードコート

SAKATANTOの中には、飲食店が6店舗入っています。お好みのお店で注文をして、フードコートの席を自由に使うことができます。山形・庄内産の食材を使ったお店ばかりで、海鮮丼やフィッシュアンドチップス、ラーメンなど、どれも美味しそうで目移りしてしまいました。

週末にもなると、横歩きしないとすれ違えないほど!屋内のテーブル席はあっという間にいっぱいに。海風を感じながら食事できるテラス席もあるので、港の雰囲気もバッチリ楽しめます。倉庫だった空間を活かした、打ちっぱなしの天井や壁の無骨さがかっこいい。

年齢性別問わずどんなお客さんも楽しそうで、高架下の飲食街のような活気です。

お昼時は混み合いますが、少し並んでもスムーズに前に進んでいる印象でした。

今回は、6店舗の中で唯一の内陸部・鮭川村から出店されている「米(こ)っ子最上」の国産鶏のからあげと、つや姫のおにぎりを提供する「おにまる」、フィッシュアンドチップスの「FRIED ISLAND」からこだわりのジンジャエールとノンアルビールを注文しました。

唐揚げは部位が選べたり、手羽先があったり「どれがいいかな〜」とレジ前で悩むこと数分。欲張りなツマにぴったりな、モモ・ムネがどちらも味わえるミックスからあげに!スタッフの方から、「おにぎりと合わせて食べるのがおすすめですよ」と素敵なアドバイスをいただき、お向かいの「おにまる」へ。

なんとお米が餌!すくすく育った最上どり。お子さんも安心して食べられますね。
ジューシーなモモ肉と、ふっくらしたムネ肉。揚げたてアツアツで、部位の違いも楽しめます。

「おにまる」のおにぎりのメニューは10種類あり、店頭のショーケースに見本が並んでいるので選びやすいです。(でもギリギリまで悩んじゃいます)そして、注文と同時にひとつひとつ握ってくれるので、ほかほかのおにぎりがいただけるのが嬉しいポイント。

誰かが作ってくれるおにぎりって、いつものご飯より美味しく感じるのは何故でしょうね〜。私たちは、あおさのお味噌汁と副菜、飲み物までついたレディースセットと単品をオーダーしました。わくわく!

ころんとしたおにぎりの看板が目印です。
卵黄漬と高菜をチョイス。副菜つきなので大満足です。

港でピクニック気分

お天気も良いので、テラス席にゲットしてきた美味しいものを広げて「いただきます」の前に「かんぱ〜い!」程よくスパイスが香るジンジャエール、これからの時期にぴったりな爽やかさ。からあげにもよく合います。おにぎりは、持ち上げると良くわかりますが、とっても大きいんです!一口頬張ると、ほろほろと崩れてしまいそうなくらい、優しく握ってあるのでお米の一粒一粒をしっかり味わうことができます。具の塩気がちょうど良く、ご飯がすすみます。全メニュー制覇を目指したくなっちゃいます。

手前に映るオットは、YATA  GINGERのジンジャエール。ツマはノンアルビール
潮風に包まれながら、あおさのお味噌汁をすする。感動的な美味しさです。

お昼を過ぎた15時頃にもなると、席に余裕ができ始めるのでお茶タイムに利用するのもおすすめです。コーヒーやソフトクリーム、フィッシュアンドチップスもおやつに良さそうです。ツマはというと、食後のデザートにあまおういちごのソフトクリームを注文。バニラミックスにしたので、いちごの甘い香りと濃厚バニラどちらも堪能できて大満足でした。

春が来ると「ピクニックに行かなきゃ!」と毎年思うのですが、SAKATANTOでテイクアウトして日和山公園で食べるのも良いなぁと、また遊びに行く計画を練り始めています。

港沿いからちょっと足を伸ばして、山王くらぶや中通り商店街をぶらぶらお散歩したいなぁと休日のツマ的理想コースです。

競争ではなく「共創」がモットーです

SAKATANTO事務局・Good Fishing Yamagataの松並三男さんから、SAKATANTOの魅力を伺いました。

「SAKATANTOの一番の特徴は、各店舗が単独で展開するのではなく、共同で魅力を高めていく〈共創〉を大切にしていることです。例えば、お客さまが各店舗のお店から少しずつチョイスして食べ合わせる事ができるよう、出店されているお店のみなさんに、提供するものができるだけ被らないようにお願いをしました。フードコートという環境で、相乗効果が生まれるように工夫しながら運営をしています。」

私たちが伺った時にも、お店の方に別のお店の紹介をしていただきました。お店同士お互いにリスペクトしている関係性が素敵です。SAKATANTOで働いている方の口コミなら、間違いない!どこで買い物しようか悩んだ時には、アドバイスをもらうのも良いかもしれませんね。

また、店舗の内装にも共創の精神が。オープン準備を進めている際に、正面玄関からテラス席に抜けていくスペースに、何かアート作品を飾りたいと考えていたそうです。そこで、かつて松並さんのご近所さんだったというご縁で、Artistのラーワーちひろさん(instagram : https://www.instagram.com/chihiroad2/)が壁画を描かれました。そして、驚くべきは、両面の大きな壁画をたった2日間で描き上げたということです。

せっかくなので、ライブペインティングをしよう!と、参加してくれる子ども達を募りイベントを開催されたそうです。真っ黒だった壁に、子どもたちに手で色をのせてもらい壁画のベースを作り、その上に酒田の海、山、川、飛島とSAKATANTOの各テナントのテーマで絵が描かれています。参加された20名の子どもたちは、大きくなってからこの壁画を見た時、どんなことを思うのでしょうね。

こんなに大きなキャンバスに描くなんて楽しそう!(松並さん提供写真)
写真撮影スポットとしてもおすすめです。(15時頃だと光も差してきてイイ感じ)

さらにSAKATANTOでは、お酒のイベントやマルシェなど積極的に開催していく予定だそうです。こうした取り組みによって交流の場が広がり、酒田港の新たな魅力がどんどん生まれていきそうな予感がします。

基本情報

名称/SAKATANTO
営業時間/10:00〜17:00(金・土・祝前日は~21:00まで営業※各店舗の営業日時は直接お問い合わせ下さい)
休業日/毎週水曜日
ホームページ/https://sakatanto.com Instagram/https://www.instagram.com/sakatanto_yamagata/
アクセス/JR酒田駅から車で約10分
駐車場/無料300台

ニショイ

ニショイ

鶴岡市関川生まれのカメラマンのオットと、宮城県石巻市生まれのイラストレーターのツマ。過疎が進む故郷と、3.11で被災した故郷を持つ2人が、『地域のために何かしたい』を原動力に『ニショイ』を屋号にして日々の暮らしをSNSで発信しています。サウナと車旅、3時のおやつ時間が大好きです。庄内のおいしいものや美しい風景、文化、それを支える縁の下の力持ちの方々をご紹介し、皆さんと共有できたら嬉しいです。

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